Jakarta EEとSpringの比較|どちらを選ぶべきか?初心者向けに徹底解説!
生徒
「JavaでWebアプリを作るには、Jakarta EEとSpringっていう2つのフレームワークがあるって聞いたんですが、どっちを使えばいいんでしょうか?」
先生
「それは多くのJava開発者が悩むポイントですね。それぞれに特徴があるので、目的に応じて選ぶのが大切です。」
生徒
「なるほど…具体的に何が違うのか、教えてもらえますか?」
先生
「もちろんです!Jakarta EEとSpringの違いを初心者向けにわかりやすく比較していきましょう!」
1. Jakarta EEとSpringの立ち位置
Jakarta EEは、Javaで業務向けWebアプリケーションを作るための標準仕様(ルール集)です。Eclipse Foundationが中心となって管理しており、Servlet、JSP、CDI、JPA、JAX-RSなど「こういう機能はこう書く」という決まりが仕様として用意されています。ポイントは、Jakarta EEそのものは製品というより共通の約束事で、実際に動かすにはその仕様を実装したアプリケーションサーバや実行環境を使います。
一方のSpring Frameworkは、Pivotal(現在はVMware)が開発してきたフレームワークで、現場での使いやすさを重視した仕組みが豊富です。標準仕様ではありませんが、Spring BootやSpring MVCなどのエコシステムが広く使われ、Web開発の定番として定着しています。たとえるなら、Jakarta EEは「共通ルール」、Springは「便利な道具セット」と考えるとイメージしやすいです。
つまりJakarta EEは「公式標準」、Springは「事実上の業界標準」と言われることもあります。どちらが正しいというより、目的に合う立ち位置を選ぶのがコツです。
初心者向け:同じ「画面を表示する」でも立ち位置が違う例
たとえば「アクセスされたら文字を返す」だけの最小例でも、Jakarta EEはServletの仕組みをベースにし、Springはコントローラの仕組みをベースに書けます。コードは難しく見えても、やっていることは「リクエストを受けてレスポンスを返す」だけです。
// Jakarta EE(Servlet)側の超シンプル例(仕組みの土台を直接使うイメージ)
import jakarta.servlet.http.*;
import jakarta.servlet.annotation.WebServlet;
import java.io.IOException;
@WebServlet("/hello")
public class HelloServlet extends HttpServlet {
@Override
protected void doGet(HttpServletRequest req, HttpServletResponse resp) throws IOException {
resp.getWriter().write("Hello Jakarta EE");
}
}
// Spring(Controller)側の超シンプル例(便利な枠組みで書くイメージ)
import org.springframework.web.bind.annotation.GetMapping;
import org.springframework.web.bind.annotation.RestController;
@RestController
public class HelloController {
@GetMapping("/hello")
public String hello() {
return "Hello Spring";
}
}
この2つは見た目が違いますが、どちらもWebの基本である「URLにアクセスされたら処理して返す」を表しています。Jakarta EEは標準仕様として広い範囲の土台を定義し、Springは現場での開発効率を高める方向に機能を積み上げてきた、という立ち位置の違いがここにも表れています。
2. 開発スタイルの違い
Springは「少ない設定で早く動かせる」開発スタイルが強みです。特にSpring Bootでは、必要な部品をまとめて入れられる仕組みが整っていて、アノテーションを付けるだけでWeb画面やREST APIの土台ができあがります。初心者が最初につまずきやすい「どこに何を書けば動くの?」という部分を、枠組みがうまく肩代わりしてくれるイメージです。
一方、Jakarta EEは「標準仕様に沿って組み立てる」スタイルです。昔はXML設定が目立ちましたが、現在は注釈中心で書ける場面が増え、コードはかなりスッキリしてきています。標準API(Servlet、JPA、CDI、JAX-RSなど)をベースに進めるため、学び始めは覚える単語が多く感じても、ルールが明確で現場の業務システムと相性が良いのが特徴です。
どちらもDI(依存注入)やMVCの考え方に対応していますが、Springは自動構成や周辺ライブラリが豊富で「まず動くものを作る」速度が出しやすく、Jakarta EEは「標準に寄せた作り方で固める」イメージで進めやすいです。自分が作りたいものと、どこまで手間を許容できるかで選びやすくなります。
初心者向け:同じ「APIを返す」でも書き味が変わる
ここでは「/hello にアクセスしたら文字を返す」だけの最小例で、開発スタイルの違いを体感します。難しく見えても、やっていることは共通で「リクエストを受けてレスポンスを返す」だけです。
// Spring Boot例:アノテーション中心で、コントローラがそのままAPIになる
import org.springframework.web.bind.annotation.GetMapping;
import org.springframework.web.bind.annotation.RestController;
@RestController
public class HelloController {
@GetMapping("/hello")
public String hello() {
return "Hello Spring Boot";
}
}
// Jakarta EE例:標準API(JAX-RS)でエンドポイントを定義する
import jakarta.ws.rs.GET;
import jakarta.ws.rs.Path;
@Path("/hello")
public class HelloResource {
@GET
public String hello() {
return "Hello Jakarta EE";
}
}
Spring Bootは「このクラスがAPIだよ」と書けばすぐ形になりやすく、Jakarta EEは「標準の書き方に沿って部品を定義する」流れで組み立てる感覚です。どちらが上というより、進め方の好みと現場で求められる型に合わせて選ぶのが、学習も開発も遠回りしにくいコツです。
3. サーバーの使い方の違い
Jakarta EEは、アプリケーションサーバ(Payara、WildFlyなど)にデプロイして実行するスタイルが一般的です。これはJSPやServlet時代からの伝統的な方法です。
一方、Spring Bootでは組み込みTomcatを使って単体で実行可能なアーキテクチャをとっており、WARファイルをサーバに配置しなくてもアプリが動きます。
そのため、クラウドネイティブやコンテナ環境での運用にはSpringが親和性高いと言えます。
4. 機能比較一覧表
| 項目 | Jakarta EE | Spring Framework |
|---|---|---|
| 開発元 | Eclipse Foundation | VMware(旧Pivotal) |
| 標準性 | Javaの公式仕様 | 非公式だが業界標準 |
| 代表技術 | JPA、CDI、JAX-RS、Servlet | Spring Boot、Spring MVC、Spring Data |
| 実行方式 | アプリケーションサーバへデプロイ | 組み込みサーバで自己実行 |
| 学習のしやすさ | やや学習コストあり | スタータが充実していて簡単 |
| 拡張性 | 仕様に準拠し拡張性やや限定 | 多くのエコシステムと連携可能 |
| 人気と採用率 | 公共・金融系で根強い | スタートアップやWeb系で高人気 |
5. SpringはJakarta EEを内部的に活用している
実は、Springは内部的にServletやJPAなどJakarta EEの仕様に依存しています。たとえばSpring MVCの下層ではServlet APIが使われています。
そのため、両者は完全に競合する関係ではなく、補完し合っているとも言えます。Jakarta EEを理解していると、Springの仕組みもより深く理解できるようになります。
6. 初心者におすすめなのはどっち?
とにかく早く成果物を作りたい初心者にはSpring Bootがおすすめです。初期設定も少なく、すぐにWebアプリやREST APIが作れます。
一方で、Javaの公式仕様を学びたい、将来的に公共・金融系に進みたいならJakarta EEを選ぶのがよいでしょう。特に業務システムではJakarta EEの設計思想が重視される傾向にあります。
最終的には、プロジェクトの目的とチーム構成に応じて選ぶことが大切です。
7. 両方を学ぶメリットとは?
SpringとJakarta EEは、似ている部分も多く、片方を学ぶともう片方も理解しやすくなります。たとえばDI(依存注入)やトランザクションの考え方などは共通しています。
現場ではSpringを使う案件もあればJakarta EEを使うプロジェクトもあり、両方の知識を持っていると就職や転職で有利になる場面も多いです。
まとめ
ここでは、これまで学んできたJakarta EEとSpringの違いや特徴をふりかえりながら、実際の開発現場でどのように役立つのかをより深く理解できるように丁寧に整理していきます。両者はJavaによるWebアプリケーション開発で非常に多く使われている技術であり、それぞれの強みや特性をしっかり把握しておくことで、開発の選択肢が広がり、より柔軟な設計が可能になります。特に現代の開発ではクラウドやマイクロサービスが重要視されているため、Springのように素早く構築できる仕組みは非常に魅力的ですし、逆に長期運用を前提とした業務システムではJakarta EEの設計思想が実務で生かされる場面も多いため、双方をふくめて理解を深めることが開発者として大きな強みになります。さらに実際のプロジェクトでは、企業文化やチーム構成、既存システムとの整合性といった要素も選択に影響するため、一見すると似ている二つの技術の違いをしっかり理解しておくことが非常に重要です。 また、Jakarta EEとSpringはいずれも同じJavaのエコシステムに属しているため、基本的な考え方やアーキテクチャの思想には共通点が多くあります。たとえば依存注入、トランザクション管理、永続化、REST APIの構築などはどちらでも同じような概念が登場するため、一方を学べばもう一方の理解が深まりやすいという利点もあります。技術者として幅広い案件に対応するためには、片方に偏るのではなく両方を少しずつ習得していくことが将来的なキャリア形成にも役立ちます。 さらに、実際の現場ではSpringのプロジェクトでもJakarta EEの仕様に基づくライブラリが多く使われており、完全に独立した技術というよりは、互いを補完しながら成長してきた関係であることも理解しておくとよいでしょう。たとえばServletやJPAといった技術はJakarta EEの仕様に基づいていて、Spring MVCやSpring Dataの内部でも活用されています。そのため、Javaエンジニアとしてスキルを深めたい場合には、どちらの仕組みがどのようにつながっているかを理解すると、内部的な挙動や設計判断もよりクリアになります。 これらの観点をふまえると、初心者が最初に取り組むべきは扱いやすく素早く成果を出しやすいSpringですが、長期的にはJakarta EEの標準仕様も理解しておくことで、より安定したアプリケーション開発ができるようになります。今後クラウド環境やマイクロサービス化が進んでも、Javaの基礎的な仕組みは変わらず必要とされるため、双方の技術を学習しておく価値は非常に大きいと言えるでしょう。
サンプルコード:簡単なSpringとJakarta EEの比較プログラム
以下は、同じ処理をSpringとJakarta EEで実装したときの対比例です。
Spring Bootのサンプル
@RestController
public class HelloController {
@GetMapping("/hello")
public String hello() {
return "こんにちは Spring Boot";
}
}
Jakarta EE(JAX-RS)のサンプル
@Path("/hello")
public class HelloResource {
@GET
@Produces("text/plain; charset=UTF-8")
public String hello() {
return "こんにちは Jakarta EE";
}
}
生徒
「こうして比べてみると、SpringとJakarta EEは似ている部分も多いんですね。」
先生
「そうですね。どちらもJavaを使ったWeb開発を支える重要な技術ですし、内部的には同じ仕様が使われている部分もあります。」
生徒
「初心者の自分としては、まずSpringで慣れてからJakarta EEを学ぶのがよさそうですね。」
先生
「その順番はとても良い選択ですね。Springで実際に動くアプリを作りながら、後でJakarta EEの標準仕様を学ぶと理解が深まりやすくなります。」
生徒
「両方を理解することで、開発の幅が広がりそうです!」
先生
「その意識はとても大切ですね。これからも少しずつ経験を積んで、より柔軟に技術を選べるようになりましょう。」